深読み!初恋ゾンビ

初恋ゾンビのキーとなりうる場面をひたすらピックアップします。初恋ゾンビは週刊少年サンデー連載の峰浪りょう先生によるラブコメです。毎回1つは新しい発見をお届けできればと思ってます。

11巻第98話 惑いの森

"別れの日"は未だ曖昧なまま

 

だけど、

指宿くんと10年を経て再会し、

新しく作られていく思い出が重なるごとに、

オレの中でキミは…

 

…いつか、

10年前のことを思い出したら、

ボクの正体に気づいてくれると思った

でも、

思い出さなくても、

新しく始まったボクらの時間の中で、

タロウはちゃんと…

 

指宿くんが"お別れ日"を思い出して欲しかったのは、思い出せば女の子だと気づいてくれると思ってたから

思い出さなくても、新しい関係性の中で気づいてくれたなら

 

今が、答える時だ

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指宿くんの10年の想いを込めたこの笑顔に

あろうことかタロウにはイヴが重なって見えた

普段は見せない指宿くんの純粋な笑顔は、純真無垢なイヴの表情に似てしまうのだろうか

 

握っていた手を振りほどくタロウ

ごめん、また変なこと言った

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忘れて

 

掴みかけた真実を

自らの手で振りほどいて

知ることを拒否した

 

戻ってきたイヴ

服はベーシックスタイルになっている

……あんなに強く輝くイヴ、初めて見た

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まるで、恋の成就寸前の輝きじゃないか…

 

恋の成就、それはタロウと指宿くんのお互いの想いが通じ合うこと

なのに指宿くんはタロウの前で"女"として存在することを望まれなかった

 

…でも、イヴに限ってそれはない

 

指宿くんはタロウとの初恋が成就することはありえないと思った

 

…タロウ、あの時ボクを見てイヴを思い出したんだな

それで、ボクが"女"か聞くのをやめたのか…

 

イヴの輝きは、タロウがイヴそのものを想う輝き

指宿くんはそう思ってる

 

タロウのいる岩陰の天井が低くてめり込むイヴ

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前にも一度、今みたいにまぶしく輝いたことがあった

龍姫祭りでタロウとはぐれてた時

 

その時何があったかをイヴは知らない

それは龍姫姿の指宿くんに抱きつかれて

初めて指宿くんが女じゃないかって疑った時だった…

 

イヴは言う

タロちゃんと離れると恋しくなって輝きが増しちゃうのかも~~

さびしかった~~

元気でいてくれてよかった~~

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透けているイヴの腕

 

イヴに触れられないと落胆してしまう時は、

いつも指宿くんに触れた時だ…

 

針摺さんが乗ってきた車はミニバン

 

朱々子は横になってるタロウに泣きながら謝る

もし死んじゃったりしてたら、私 立ち直れません…

私が悲しいだけじゃないんです

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誰のことか追及しないタロウ

聞かなくてもわかるからか

つまりタロウは指宿くん(ちゃん)の好意に気づいている?

そうかもしれないと思っても知ろうとすることをやめたから?

指宿くんも何も言わない

自分のことを言われているとわかっても

聞いてないふりをしている

 

よろけるタロウを支える指宿くん

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頼らないタロウ

 

「タロウ、ボクは男だ」

 

雨上がりの窓の外には虹が架かっている

「イヴのさっきの輝きは、

キミがイヴを想う気持ちがそうさせただけだと思う」

(誰に言い聞かせている?)

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さびしさを隠して無理して作った笑顔で声をかける

タロウはイヴが消えてしまうことを怖れている

それを指宿くんはわかっている

自分が男でいれば、イヴは消えたりしない

 

逆に言えば、自分が女ならイヴは消えるかもしれない

つまりタロウと両想いになれる

タロウの好意に気づいているのか

可能性さえも消して安心させたいだけなのか

 

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イヴが輝くのは、やっぱりオレのキミへの未練だ

オレは疑っていたんじゃない

キミが"女"であってほしいと望んでいたんだ

 

でもそれは同時に、

イヴの消滅を願っていることになるんじゃないか?

 

だから知ることを拒否した

好意はあるかもしれないけど考えないようにした

そんなタロウを思いやって

『ボクは男だ』

と"自分はその対象ではない"と指宿くんは告げた

 

 

 

 

どこで間違った?

ここじゃないでしょうか