深読み!初恋ゾンビ

初恋ゾンビのキーとなりうる場面をひたすらピックアップします。初恋ゾンビは週刊少年サンデー連載の峰浪りょう先生によるラブコメです。毎回1つは新しい発見をお届けできればと思ってます。

17巻第160話 願うままに…

担任から指宿くんの退学を聞いて

慌てて立ち上がり

勢いで倒れたイスもそのままに

タロウは教室を飛び出した

 

クラスのみんなが廊下を駆けていくタロウを見た

 

…タロウ、顔真っ青だったぞ…

言ったのは津奈木

 

駆けながらタロウは思う

なんでだ…なんで…

『もう…いい…』

とだけ言い残して去ってしまった場面が脳裏に浮かぶ

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見えなくなる方法が見つかるまでは…

いて"くれる"って…

 

この約束はタロウが一方的に通告したこと

龍姫祭りでは

『もう少しだけ、オレの傍にいてくれ…』

と言ったタロウに

『しょうがないからいてやるよ!』

と指宿くんは答えた

 

14巻第128話『ぼくらはトモダチ』でタロウは告げた

これから、もっと真剣に初恋ゾンビが見えなくなる方法を探す

そうなったら、あの日の願いはそこでお終いだ

このやり取りは指宿くんの『……ありがとう』で締められているが、それまで傍にいると約束したわけではない

 

その前の誕生日会の帰りでは

『…ボクはもう、お前の頼みを聞いてやれないかもしれない…』

と指宿くんは言っている

これに対して、"初恋ゾンビが見えなくなる方法が見つかるまでは"とタロウが一方的に言っただけというのが実際

 

なんでこれが"いてくれる"になるのか

少しでも長く傍にいて欲しい想いが

一方的に区切った期限を大事な約束のように思わせたのかもしれません

 

焦るタロウに

今さら行ってどうするの?

と声をかけるイヴ

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答えようとして違和感に気づく

「イヴ、お前 なんでそんなに冷静なんだ?」

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曖昧な表情で即答はしない

 

絶対まだいるよ!

駆けてきた江火野がタロウに追いついた

…だよ…な

援軍を得たタロウ

2人で駆けていく

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イヴはネガティブな表情で2人を見送った

ついて行きはしない

 

八女邸では針摺さんが応対した

まだ日本にいますよね⁉︎

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このお屋敷にはおられません

お母様のもとに向かいました

とだけ答える

落胆する2人

 

針摺さんは

日本にいないとは言ってない

お母様が海外にいるとも言ってない

 

学校へは戻らず、家に帰り部屋のベッドに突っ伏すタロウ

八女邸にはついて行かなかったイヴがベッドに腰掛ける

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結局、11年前と一緒だね

やっぱりあの人はタロちゃんの前からいきなりいなくなってタロちゃんを傷つける…

 

それを聞いてベッドから起き上がるとイヴはいきなり唇を重ねてきた

 

ワタシはずっと一緒だよ

絶対にタロちゃんを悲しませない

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そうしてイヴは服を脱いだ

セーラー服はかぶる構造だと思うけど

想像の服なのではらりと脱ぎ捨てるように

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タロウは一瞬凝視して、目をそらした

この反応から本当に普段はこういうことをやってなかったらしい

 

触らなくてもたくさん見て、想像して…

色んな楽しみ方、きっとあるよ

 

胸の先はまだ想像できてない

想像できないものは形にならない

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タロウの知ってるイヴとは思えない

不穏な笑み

「そうだよ

もう我慢するのをやめただけ」

 

何をしてもワタシは怒らない

嫌がらない

傷つかない

タロちゃんが一番うれしい姿に、どんな形にでも、なってあげる

 

それは自我のない本来の初恋ゾンビの姿なのでは

 

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そうしてイヴは指宿くんより少し長いボブぐらいの髪型の

イヴよりはだいぶこじんまりした胸の

リリスの姿になった